ドラえもん募金の謎

「1回の電話で108円を寄付できるシステムです」と表記されているドラえもん募金。この中途半端な「8」円とは何なのだろうか。消費税は8%だから、まさか消費税がかかっているのか。他にも手数料が取られているのではないか。なぜダイヤルQ2なのか。様々な疑問が湧くドラえもん募金の謎を、一つずつ解明していこう。

1. 募金が中間搾取されているのではないか?
まず中間搾取されているかどうかの前に、「ドラえもん募金」の仕組みから説明しよう。募金者から日本赤十字社に寄付金が流れるまでの過程はこうだ。①募金者が「0990」で始まる電話番号をNTT東日本・西日本(以下、NTT)にかける。②NTTは、募金者から「情報料(募金)」を電話料金と併せて徴収し、回収代行手数料を頂戴する。そして、③NTTはダイヤルQ2番組提供者であるテレビ朝日に対して「情報料(募金)」を支払い、④テレビ朝日が日本赤十字社などに「情報料(募金)」を送金する。募金者から日本赤十字社に至るまで、2社が介在していることになる。

NTTが取る手数料を「回収代行手数料」と呼ぶが、この手数料には「固定手数料」(税込17,850円/月)と「変動手数料」(情報料の9%)の2種類がある。NTTはこの回収代行手数料を徴収する権利をもっているので、中間搾取しようと思えばいつでもできる。しかし、平成11年のトルコ・台湾大地震から先日のネパール大地震までの13回のドラえもん募金すべてにおいて、NTTが手数料を取ったことはない。募金番組の趣旨に賛同し、回収代行手数料及びをすべて無料としてきたのだ。したがって、中間搾取は行われず、募金者のお金は全額寄託先に渡されている。

さらに言えば、NTTは平成26年2月28日にダイヤルQ2のサービスを一旦提供したにも関わらず、災害募金番組の社会的意義を踏まえ、平成26年3月1日からダイヤルQ2を「災害募金サービス」として再開することにした。災害募金番組を提供する際の回収業務を無料で代行し、募金番組開設に関わる工事費もNTTが負担している。
2. スマホや携帯で募金できないのか?

募金電話番号の下にある注意書きを見ると、「NTTの固定電話・ひかり電話サービスのみ利用できます(携帯電話、公衆電話などからはご利用になれません)」と書かれている。つまり、携帯電話やスマートフォンでは募金ができないのである。固定電話の加入契約者数の推移は年々下落傾向にあり、その中でもNTT東西の加入電話の契約数は、平成13年の6,105万から、平成24年は2,847万と、半分以下に落ち込んでいる。一方でスマートフォンの契約数は平成22年から急増し、平成24年時点で4,950万台に達している。携帯電話の契約数は横ばい傾向だが、9,450万を超えている。つまり、ドラえもん募金は携帯・スマホユーザからの募金を獲得する機会を逸しているのである。

ただ逆に言えば、固定電話とひかり電話での募金者を拾う手段となっており、ネット募金等との棲み分けをしているということも言える。

3. 募金先が偏っているのではないか?
日本赤十字社が募集する対象の災害と比べてみると、ドラえもん募金は災害が恣意的に選ばれている。例えば、 2014年西アフリカで発生したエボラ出血熱、2013年のインド洪水災害についてはドラえもん募金を募集していない。地震だけ対象としているのかと思いきや、2013年のフィリピン台風30号についてはドラえもん募金を募集している。どういう基準で災害を選んでいるのかは疑問である。

4. 募金支払先のジャパン・プラットフォームとは?
ドラえもん募金のお金がどこに支払われているかを調べていくと、「ジャパン・プラットフォーム」という怪しげな団体が浮かび上がってくる。このジャパン・プラットフォームとは一体何なのかというと、緊急人道支援活動を目的とした政府肝いりの特定非営利活動法人である。2000年8月にNGO、経済界、日本政府が共同して設立した。東日本大震災やシリア紛争など数々の緊急事態において現地に出動し、緊急支援物資を配布したり、基礎教育を支援したりしている。事業報告書や会計報告書、監査報告書も公開している。

調べていくと、怪しいところはない。ドラえもん募金はワンコールで募金できる手軽さから固定電話ユーザーに好まれる優れた募金手段といえる。ただ、テレビ朝日は携帯電話やスマートフォンユーザーから「ワンコールで」募金できる手段も確保することを検討すべきである。

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