ディズニー公式がまさかの爆弾ツイを投下して大炎上に!

8/9、ディズニー・ジャパンの公式Twitterアカウントがこんなことを呟いた。

disney

8/9というのは、日本人なら誰もが知っている長崎原爆忌である。

1945年8月9日午前11時2分に、米軍のB-29爆撃機「ボックスカー」により、プルトニウム原子爆弾「ファットマン」が長崎市に投下された。これにより、およそ7万人の人々が死亡し、市街は壊滅した。(ウィキペディア)

11時2分になれば日本中が戦死者に対して黙祷を捧げ、戦争の悲惨さを訴え、平和を祈る。そんな大事な日の、しかも8時に、ディズニーは「A VERY MERRY UNBIRTHDAY TO YOU!(なんでもない日おめでとう)」と呟いた。これにネット民の怒りが炸裂した。

バッシングに使われるのは、日本人お得意の「不謹慎」というフレーズだ。私は、365日毎日がどこかの誰かにとって「不謹慎」な日なので、それを言い始めたらもう何も祝えないし、毎日悲観しながら生きていけというアホみたいな結論になるから、基本的に(時と場合によるが、あくまで基本的に、)「不謹慎」などということは気にする必要はないと思っている。

とはいえ、日本国民全体に影響を及ぼした原爆投下の日に、「原爆を投下した張本人であるアメリカ」の企業であるディズニーが、よりによって「被爆国である日本」の国民に向けたツイッターで「おめでとう」というのは空気が読めてなさすぎるだろう。

諸外国で広報宣伝活動をするなら、その国の歴史、宗教、政治、経済、社会、技術などの主要な事実を踏まえて、相当の配慮をするのが当たり前だ。

もっとアメリカ人にもわかるように言えば、9.11の世界同時多発テロの日に、アメリカ限定のツイッター公式アカウントにて「A VERY MERRY UNBIRTHDAY TO YOU!(なんでもない日おめでとう)」と呟いたら、アメリカ人はどう思うだろうか。決して愉快な思いはしないはずだ。

今回のディズニーの呟きに悪意はないのだと擁護する声もある。「A VERY MERRY UNBIRTHDAY TO YOU!(なんでもない日おめでとう)」というのは、「ふしぎの国のアリス」の劇中の話である。「お誕生日じゃない日の歌」(日本版では「なんでもない日の歌」)というのがあるらしく、誕生日でない残り364日祝うという趣旨なので、原爆投下の日について「おめでとう」と皮肉を言ったわけではない、ということらしい。

その反論はポイントがずれていて、ディズニー公式アカウントが原爆投下の日を狙ってわざわざ「おめでとう」などと言っているわけがないのは当たり前の話で、悪意がないのもわかっている。そうではなく、日本国の事情を配慮した広報宣伝活動をしていたかどうか、というだけのこと。

日本国民の1人1人の事情に配慮しろという無茶ぶりを言っているわけではないし、そんなことは到底不可能だ。そうではなく、日本国全体に関わる事件については最低限知っておけ、知った上で広報をやれ、ということだ。

それは、どの国で広報活動を行うにしても当然のこと。

たとえば中国の天安門事件の日に、中国国内で「おめでとう」などと呟いたらどうなるか、容易に想像がつく。中国にある日本企業のあらゆる店舗が襲撃され、破壊されるだろう。

それくらい、国民全体にとって重大な事件に配慮するというのは重要なことだし、当然のことなのだ。

そんな炎上騒ぎから10時間後、ディズニー公式アカウントは先の呟きを削除した上で謝罪した。

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日本法人は、本国アメリカの指示待ちが基本。その割には比較的早い対応だったのではないだろうか。おそらく早い段階で日本法人が察知し、米国本社と打ち合わせをして、対応方針を決めていたのだろう。

①ディズニーに悪意はなかったということ、②比較的早い段階で謝罪したこと、③今後配慮すると表明したこと、の3点をもって、今回の騒動は決着したと考えるべきだ。

ところがこの謝罪に対するリプライを見ていると、日本人のネット民の知能レベルの低さというか、土下座文化が垣間見える。「ディズニーランドを無料開放しろ」とか「謝って済むと思うのか」とか「在日出て行け」といった不当な要求が散見され、まるで韓国の愚民を見ているかのようだ。

他にも「今までディズニーが好きだったのに、失望しました・・」など悲しみに打ちひしがれていたり、「ディズニーは悪くない」とリプしている人に絡んで「お前は意識が低すぎる」などと小競り合いになっていたり、ちょっと情けなくなってくる。

ディズニーに悪意はないのだから、今までディズニーが好きだった人はこれからもディズニーに行けばいい。なぜ悪意がないと言い切れるかというと、ディズニー公式アカウントの目的は集客にあるからだ。日本人から金をふんだくりたい稼ぎたいのだから、あえて日本人を敵に回すようなことを意図的にするわけがない。

さて、今回の騒動を起こしたディズニー公式アカウントの実体はどこにあるのかをちょっと探ってみることにした。

運営主体である法人名は「ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社」で、本国アメリカの「ウォルト・ディズニー・カンパニー」の日本法人である。資本金3億円。虎ノ門ヒルズ森タワーに本社がある。代表取締役はポール・キャンドランド氏。

ポール・キャンドランド氏は、米国ペンシルバニア州立大学大学院でMBA取得後、米ペプシコーラ・カンパニーに入社。日本ペプシコーラ社の代表、ディズニーストア・ジャパン株式会社の代表取締役・総支配人などを経て、2007年からウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社の代表取締役社長になっている。きっとかなりの日本通だと思う。

そんなポール・キャンドランド氏率いるウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社の組織図はこれだ。

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(ディズニー公式ホームページより)

今回の事件に関係しそうな、バックオフィスに該当する「全社部門」の各部門の役割についてみてみよう。部門名称が長ったらしい名前になっているが、要はカッコ内の役割を担っていると思われる。

(広報部)ジャパン・マーケティング / コンシューマ・リレーションシップ・マネージメント
(ライセンス部)プロモーショナル・ライセンス&アド・スポンサーシップ
(IR部)コーポレート・コミュニケーションズ
(情シ部)インフォメーション・テクノロジー
(財務部)ファイナンス / ビジネス・ディベロップメント / アカウンティング
(法務部)リーガル・アフェアーズ
(労働調整部?)インターナショナル・レーバー・スタンダード
(人事部)ヒューマン・リソーシズ&ジェネラル・アドミニストレーション
(総務部)ファシリティー&コンストラクション
(購買・調達部)ストラテジック・ソーシング&プロキュアメント

全社部門の下位組織である「コーポレート・コミュニケーションズ」という部門は主にIRや法人・投資家向けの広報を担当していると思われるので、一般消費者向けの広報やマーケティングを行っているのは「ジャパン・マーケティング / コンシューマ・リレーションシップ・マネージメント」と思われる。

よって、ツイッターのアカウントを統括しているのはこのCRM部だろう。

ちなみに私達がよく知っている「オリエンタルランド」とはどういう関係なのか、ということについて疑問が湧くと思う。

東京ディズニーリゾートはオリエンタルランド(京成電鉄グループ)によるライセンス運営となっており、ディズニーグループは米国法人も含め、資本上の関係はない。TDRの運営に関しては、ディズニーグループのウォルト・ディズニー・アトラクションズが日本法人「ウォルト・ディズニー・アトラクションズ・ジャパン」(WDAJ)を通じて関与している。(ウィキペディア)

みんな大好きな東京ディズニーリゾートは、オリエンタルランド株式会社が雲煙している。これは、ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社とのライセンス契約を締結し、その契約にもとづいて実施しているものだ。ではウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社は何をやっているのか?ということで、事業内容をみてみると・・

  • ディズニープロパティーの著作権の使用許諾と管理
  • 劇場およびテレビ用映画とその他のプログラムの制作ならびに配給と再配給
  • 劇場およびテレビ用映画、エンターテイメント関連のコンテンツ、その他のプログラムの家庭用娯楽メディア向けの開発・制作ならびに複製

コンテンツ制作・販売や著作権管理が主な業務となっているようだ。

オリエンタルランドと異なり、ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社はなんとなく外国人が多そうなイメージがある。とはいえ、日本人社員もそれなりにいるはずなので、今回の事態に至るまでに気づくことはできなかったのか、甚だ疑問である。

今後こういった無神経な情報が発信されないよう、社内体制の不備を見なおしてもらいたいと思う。

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